東京の水田
Rice Paddy
水田や里山は、美しく懐かしい日本の原風景です。
最近は、身近で水田を見る機会は少なくなりましたが、東京でも、農家の方々が丹精込めて米を栽培している地域があります。
こうした地域では、河川、用水路、農地、農道などが米の生産システムとして一体化し、まとまりのある田園空間を形成しています。
ここでは、2024年における東京の主な水田をご紹介します。
写真の下には、市町名・農業用水名・取水河川などを記載しています。
西多摩地域
西多摩地域には、あきる野市や青梅市、羽村市などにまとまった水田があります。秋川や多摩川流域は古くからの水田地帯で、青梅市では中小河川の流域や山あいの地域でも水稲が栽培されています。また、羽村市では市街化区域にまとまった水田があり、水稲栽培の前にはチューリップ祭りが開催され賑わっています。

あきる野市・小庄用水・秋川
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小庄地区全景

あきる野市・引田用水・秋川

あきる野市・下代継用水・秋川

あきる野市・南郷用水・秋川

あきる野市・東郷前用水・秋川

あきる野市・小川久保用水・秋川

小川久保地区・収穫風景

青梅市・天皇塚用水・大門川

青梅市・木野下用水・霞川

青梅市・大蔵野用水・成木川

青梅市・乙黒用水・成木川

羽村市・羽用水・多摩川

羽村市・チューリップ祭り
南多摩地域
南多摩地域には秋川や多摩川、浅川が流れ、流域は古くからの水田地帯でした。八王子市では都内最大規模の高月地区があり一面の田園風景が見られます。また、町田市では、市北部の丘陵地域に谷から湧き出る水を利用した谷戸田(やとだ)があり、東京では珍しくなった里山の風景が見られます。日野市や稲城市では、まちの中を農業用水が網の目のように走り、住宅地に隣接しながらも水稲が栽培されています。

八王子市・高月用水・秋川

高月地区・田植えの準備

高月地区・収穫のころ

八王子市・南郷用水・秋川

町田市・神明谷戸

丘陵からの湧水が池にたまり田んぼに注ぐ・神明谷戸

町田市・奈良ばい谷戸

町田市・万松寺谷戸

町田市・五反田谷戸

日野市・日野用水・多摩川

日野市・向島用水・浅川
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稲城市・大丸用水・多摩川
北多摩地域
北多摩地域もかつては多摩川流域には水田が広がり、水稲の栽培が盛んでした。現在は市街化が進み、水田の周辺は住宅地に近接しているところが多くなりましたが、古い歴史を持つ農業用水を農家の方々や自治体が保全に努めています。また、東村山市では、丘陵と市立公園に隣接した水田があり、市民の自然とのふれあいの場になっています。

国立市・府中用水・多摩川

府中用水樋門(ひもん・多摩川からの取水口)

府中市・本宿用水・多摩川

東村山市・北山公園地区・北川

昭島市・昭和用水・多摩川

まちを流れる昭和用水
島しょ地域
島しょにはほとんど河川がないため、昔から水稲栽培は行われてきませんでした。
唯一八丈島で、三原山から流れる河川の水を利用して米の栽培が行われてきましたが、水田は減少し、今は子供たちや地域の方々が米づくりを体験できる農業体験農園として利用されています。毎年、田植えや収穫作業には多くの皆さんが参加するイベントになっています。

八丈町・農業体験農園で地域の皆さんによる田植え

田んぼと八丈富士(2025年撮影)